鍼灸師の年収はいくら?勤務・開業の違いと18年経営して分かった現実
鍼灸師を目指している方や、開業を考えている方の中には、
・鍼灸師の年収は本当に低いの?
・開業するとどのくらい稼げるの?
・家族を養える収入は得られる?
・独立して食べていけるのだろうか?
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
インターネットでは「鍼灸師は儲からない」という意見もあれば、「月商100万円は簡単」という極端な情報も見かけます。
しかし、実際には勤務鍼灸師と開業鍼灸師では収入の考え方が大きく異なります。
私は2008年に広島県安芸郡海田町で【ゆうこん堂鍼灸院】を開業し、一人で鍼灸専門院を18年間経営してきました。
開業直後は週に2~3人しか来院せず、月の売上が7万円程度だった時期もあります。
一方で現在は、家族を養いながら鍼灸院を続けられるまでになりました。
この記事では、鍼灸師の年収や開業後の現実、収入を安定させるために必要だと感じたことを、実体験をもとにお伝えします。
鍼灸師の平均年収とは?
一般的に、鍼灸師の平均年収は300万~450万円程度と言われています。
ただし、この数字には、
・勤務鍼灸師
・開業鍼灸師
・経験年数
・地域差
・勤務形態
など、さまざまな条件が含まれています。
そのため、
「鍼灸師の平均年収は○○万円だから、自分もそのくらいになる」
とは言えません。
勤務先や地域によっては300万円未満の場合もありますし、開業して安定した経営ができれば平均を大きく上回ることもあります。
平均年収だけを見ても、実際の働き方までは分かりません。
勤務鍼灸師と開業鍼灸師では収入の考え方が違う
勤務鍼灸師の場合は、毎月決まった給与を受け取ることになります。
一方、開業すると収入は売上によって決まります。
ただし、売上がそのまま年収になるわけではありません。
売上から、
・家賃
・水道光熱費
・通信費
・施術用品
・広告費
・決済手数料
・税金
などを差し引いたものが利益になります。
そのため、
売上が高い=収入が多い
とは限りません。
開業を目指すなら、年収だけでなく利益を見ることが重要です。
私は開業後3年間ほとんど稼げませんでした
現在では普通に生活できていますが、開業当初は本当に患者さんが来ませんでした。
週に2〜3人しか予約が入らず、
月の売上が7万円程度だったこともあります。
開業すれば自然に患者さんが来ると思っていました。
しかし現実は全く違いました。
地域の方は、
「そこに鍼灸院があること」
自体を知らなかったのです。
施術技術があっても、存在を知られていなければ予約にはつながりません。
この経験から、
技術だけでは経営できない
ということを痛感しました。
年収を左右するのは施術力だけではない
現在まで経営してきて感じるのは、鍼灸院の収入は次の5つで決まるということです。
・施術力
・認知される力
・再来率
・固定費
・継続力
どれか一つだけ優れていても経営は安定しません。
技術だけでは患者さんは来ません。
反対に、発信だけ上手でも施術に満足してもらえなければ継続して通っていただくことは難しくなります。
月商100万円は本当に目指せるのか
インターネットやYouTubeでは、
「月商100万円は簡単」
という話を耳にすることがあります。
数字だけで考えれば決して不可能ではありません。
例えば、
施術料5,000円なら月200人。
25日営業なら1日8人です。
実際、予約が多い日にはそれ以上施術する院もあります。
ただし、
毎日予約が埋まるわけではありません。
開業したばかりなら、患者さんがいない日も珍しくありません。
また、
広告費
家賃
設備費
などが増えれば、月商100万円でも利益は思ったほど残らないことがあります。
数字だけを見るのではなく、
利益まで考えることが大切です。
売上より利益を考える
私は、
月商100万円
という数字を目標にしたことはありません。
それよりも、
無駄な支出を減らすこと
を重視してきました。
例えば、
・家賃を抑える
・広告費を最小限にする
・必要以上の設備を置かない
・固定費を増やさない
ということを徹底しています。
極端な例ですが、
月商100万円で利益50万円より、
月商80万円で利益70万円の方が経営としては優秀です。
年収を増やしたいなら、
売上だけでなく利益を見る視点が欠かせません。
ホームページは経営を支える資産になる
私が現在まで経営を続けられている理由の一つがホームページです。
開業当初はほとんど患者さんが来ませんでしたが、
少しずつ記事を書き続け、
ホームページを改善し続けました。
現在では、
症状について調べた方がホームページを見つけ、
Googleマップを確認し、
予約につながる流れができています。
ホームページは作って終わりではありません。
患者さんが検索する症状を増やし、
古い記事を改善し、
検索順位を確認しながら育てていくことが重要です。
開業を目指すなら発信を続ける
現在では、
ホームページ
Googleマップ
SNS
など、患者さんに知ってもらう方法が数多くあります。
どれか一つだけに頼るのではなく、
それぞれを組み合わせながら認知を広げることが大切です。
ただし、
発信だけで経営できるわけではありません。
来院した患者さんに、
「また相談したい」
と思っていただける施術があってこそ、経営は安定します。
鍼灸師は将来性のある仕事なのか
鍼灸師は決して簡単に高収入を得られる仕事ではありません。
しかし、
経験を積みながら施術力を高め、
患者さんとの信頼関係を築き、
発信を続けていけば、
家族を養える収入を得ることは十分可能だと思っています。
また、
開業していれば定年はありません。
自分の体力や生活に合わせて働き方を調整できることも、この仕事の魅力です。
私が18年間経営して出した結論
「鍼灸師は儲からない」
と言われることがあります。
私はそうは思いません。
正確に言えば、
鍼灸師だから儲からないのではなく、経営が簡単ではない仕事なのだと思います。
施術力を磨くことはもちろん大切です。
しかし、それだけでは患者さんには来てもらえません。
ホームページやGoogleマップなどを活用し、自院を知っていただく努力も必要です。
さらに、固定費を抑え、利益を残せる経営を続けることも欠かせません。
私自身、開業直後は本当に苦労しました。
それでも、小さな改善を積み重ねながら18年間続けてこられました。
鍼灸師は、人の痛みや不調に寄り添い、「ありがとう」と言っていただける、とてもやりがいのある仕事です。
簡単に大金を稼げる職業ではありません。
しかし、施術・集客・経営を学び続ければ、家族を養いながら長く続けられる仕事だと私は考えています。










